ステッピングモーターの送りパルス、エンコーダーカウント値、センサー値、センサー検出フラグ値、機器間の通信の開始/停止フラグ値
パワーコンディショナによる電力制御の過程や制御変数の変化値
温度や湿度、照度、ガス等の環境センサ値、それらの値が制御装置にフィードバックされ演算した結果値
鍵盤やペダルが備えるセンサから入力したデータ値、オーディオ信号処理値、出力する音データ値
EVRICA(エヴリカ)は、Armプロセッサのメモリ情報を高速に読み出し、プログラム中の変数やパラメータの値の変化をリアルタイムに可視化するデータモニタリングツールです。メモリ情報を観測(トレース)することにより、システム実行時の演算処理の過程が明確になります。例えば、ロボットやFA機器、プリンタなどのモータ/アクチュエータ制御、高効率電力変換やディジタル電源制御、工場の製造ラインやプラントの制御、電子楽器や音響機器のオーディオ信号処理など、複雑な制御/信号処理アルゴリズムを実装する組み込みシステムの動作検証やソフトウェアのデバッグに役立ちます。
マイコン内部のデータを可視化
定量的な動作検証に最適
制御/信号処理システムのデバッグでは、
システムの入力値や出力値を確認するために、
デジタルオシロなどを使ってプロセッサの
I/O信号を測定することがよくあります。システムの内部状態を
把握したい場合は、プログラム中にprintf文などを埋め込み、
プログラムを実行しながら着目する変数やパラメータの値を
出力します。ただしこの方法では、信号観測のための測定器を
用意しなければならず、さらにprintfデバッグを行う際に、
ソースコードに手を入れる必要があります。
こうしたケースでは、従来型のJTAG ICEが有効です。
ソースコードに手を入れることなくプロセッサ内部の
メモリ情報を観測でき、デバッグしながらシステムの入力値や
出力値、内部の変数やパラメータの値などを確認できます。
ただしJTAG ICEも万能とは言えません。
JTAG ICEでメモリ情報を観測する際の
サンプリング性能は、1測定点当たり数msにとどまります。
これに対してEVRICAを使えば、ソースコードに
手を入れることなく、1測定点当たり最高6.5µsの速度で、
システムの入力値、出力値、変数やパラメータの値などを
計測できます。測定したデータはホストPCの
ハードディスクに蓄積するので、
数時間〜数日にわたる長期の観測も可能です。
項目 | 仕様 | |
---|---|---|
対象マイコン | - | Arm Cortex-A,-R,-Mコア内蔵マイコン(32bit/64bit※) ※64bitマイコン使用時は別途64bit対応オプション「SKS100」が必要となります。 |
PC動作環境 | 推奨ホスト仕様 | 対応OS:Windows 11 64bit、Windows 10 32bit/64bit CPU/メモリ:OSのシステム要件に準じる |
RAMモニタ機能 | 測定アドレス点数 | 最大1024点 |
測定性能 | 通常モード(サンプリング方式):6.5µs/点(4byte) ※最速値(USB3.0) | |
測定アドレスの入力 | ・物理アドレスの直値入力(16進) ・シンボル情報ファイルからの変数選択 |
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測定データの指定 | ・1/2/4/8byte指定 ・bitフィールド指定(任意のbit位置の指定) |
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データ値表示 | (unsigned/signed) char / short /long /longlong, float/double 表示形式:2/8/10/16進数 |
項目 | 仕様 | |
---|---|---|
RAMモニタ機能 | グラフ表示 | 折れ線グラフ ・4面表示可能。1面あたりMax8ch ・グラフの拡大/縮小、カーソル(4本) ・カーソル差分時間測定 ・グラフの最大表示時間:1h以上 ・グラフのプロット点補完方法:線形表示orステップ方式選択可能 |
測定ログ記録時間 | ハードディスクの空き容量に依存 上限を超えると過去のデータを上書き |
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測定ログ保存 | 専用ファイルフォーマット及びCSVフォーマット | |
測定結果ファイル読み込み | 〇グラフ表示(スライドバーで時間軸移動可能) | |
設定情報の保存・復帰 | 〇 | |
イベント機能 | 〇(最大8点。グラフ波形にマーキング、波形停止イベント) | |
データライト機能 | 指定したアドレスにデータをライト | |
外部トリガ | 〇 停止トリガ(IN):2点 〇 トリガ出力(OUT):2点 |
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シンボルファイル フォーマット |
ELF/DWARF 対応コンパイラ:Arm対応adviceXross に準ずる |