UBLは従来のライセンス形態(Node-Locked、Floating)のメリットを組み合わせたArm®統合開発環境の新しいライセンス形態です。
個々のユーザにライセンスを紐づける方式となります。
※2025年6月末をもって、従来のライセンス形態Node-Locked、Floatingは販売終了となります。
UBLの特徴

コンセプトが明快
- ライセンスがユーザに紐づく

取り回しが便利
管理者:
- ライセンス使用状況を把握しやすい
ユーザ:
- 同一ユーザなら様々なPCで使用可能
- オフライン環境で使用可能

開発効率が向上
- 1ライセンスで並列ビルドが可能
- ライセンス認証方法の変更によりスムーズなツール動作を実現
ライセンス形態の比較
UBLは、Node-LockedとFloatingのメリットを引き継いで、デメリットを解消しています。
ライセンス形態 | メリット | デメリット | |
---|---|---|---|
Node-Locked License(NL) | PCを固定 | オフラインで使用できる | PC変更時に手続き(リホスト)が必要となる |
Floating License(FL) | ライセンス・サーバ経由で認証 | ライセンスを共有しやすい | 都度ライセンスの認証をするためツールの動作が遅延する可能性あり |
User-based Licensing(UBL) | ユーザを固定 | オフラインで使用できる 同一ユーザなら利用PCの制限なし ライセンスを共有しやすい(ユーザの付け替えが容易) ライセンス認証は1日1回のためツールの動作は遅延しない |
ライセンス運用方法
UBLのライセンスは、ライセンスサーバを使って運用します。
CLS(Armのサーバをクラウド利用)とLLS(お客様にてサーバをご用意)の2つの方法があります。
事前準備
- Arm Developer のアカウントで「Arm user-based licensing portal」にアクセスし、製品のシリアルナンバーを登録します。
- CLSとLLSのいずれかで運用します。(CLSとLLSの双方にて運用することも可能です。
ユーザに割り当てられていないライセンスは、双方で移動可能です。
CLS:Cloud License Server
Armのサーバをクラウド利用します。
サーバ環境の立ち上げ・管理が不要です。
キーワード:Armのサーバ Activation code
ライセンスの登録と更新のためには、
インターネットアクセスが必要です。
【ライセンス使用の主な流れ】
①管理者はActivation code(認証コード)をArm user-based licensing portalから取得します。
②管理者がActivation codeをユーザに通知します。
③ユーザは、利用するPCでActivation codeを登録すれば、ユーザアカウントとライセンスが紐づき「7日間のライセンス使用権」を得られます。
④ユーザが製品を起動すれば、1日に1回Armのサーバに接続する仕様になっています。
その結果、ユーザは「7日間のライセンス使用権」を日々更新していくことになります。

※ユーザの付け替え:
以下の場合にはライセンスを別のユーザに付け替えることが可能となります。
- 7日間連続でライセンスサーバにアクセスしていない場合
- 管理者がUBLポータルサイトで「Revoke」(紐づけ解除)の操作をしてから7日間経した場合
- ユーザがツール上で「Disactivate」(紐づけ解除)の操作をしてから7日間経過した場合
LLS:Local License Server
お客様にてサーバをご用意いただきます。
クライアントPCとサーバPC間での通信は自社内のネットワークで完結できます。
キーワード:自社のサーバ サーバURL
サーバ環境はLinux OSのみサポートされます。
【ライセンス使用の主な流れ】
①管理者は、ローカルサーバ用ソフトウェアを自社のサーバPCにインストールし、Arm user-based licensing portalに自社のサーバを登録します。
②管理者がサーバURL等の情報をユーザに通知します。
③ユーザは、サーバURL等の情報を登録すればユーザアカウントとライセンスが紐づき「7日間のライセンス使用権」を得られます。
④1日に1回、ライセンス使用中のPCを自社のサーバに接続することで、ユーザは「7日間のライセンス使用権」を日々更新していきます。

※ユーザの付け替え:
以下の場合にはライセンスを別のユーザに付け替えることが可能となります。
- ライセンスサーバへ7日間アクセスしない場合
対象製品
Arm Development Studio
すべてのArmコアをサポートした統合開発環境です。
※UBLにはArm Keil MDKはバンドルされません。

UBLのエディションは、「UBL Gold FuSa」と「UBL Gold」の2つです。
Arm Development Studio | UBL Gold FuSa | UBL Gold | |
---|---|---|---|
製品構成 | |||
プロセッサ | Cortex-A v9/v8/v7 | ○ | ○ |
Cortex-R v8/v7 | ○ | ○ | |
Cortex-M v8/v7/V6 | ○ | ○ | |
Legacy コア | ○ | ○ | |
Arm Compiler v6.18以降 | ○ | ○ | |
Arm Fixed Virtual Platforms | ○ | ○ | |
Functional Safety | FuSa Compiler | ○ | ― |
FuSa RTS | ○ | ― | |
FuSa C Library | ○ | ― | |
ライセンス期間 | |||
ラインナップ | 1年(保守込み) | 1年(保守込み) | |
3年(保守込み) | 3年(保守込み) |
○:対応あり ―:対応なし
Arm Keil MDK v6
Armコア内蔵のマイクロコントローラに特化した統合開発環境です。
※従来のμVisionに加え、ブラウザベースの新しい開発環境であるKeil Studio IDE をご利用いただけます。

UBLのエディションは、「Professional」と「Essential」の2つです。
Arm Keil MDK v6 | Professional | Essential | |
---|---|---|---|
製品構成 | |||
IDE | Keil Studio (VS Code Extensions) |
○ | ○ |
Keil Studio Cloud | ○ | ○ | |
µVision (MDK v5.37以降) | ○ | ○ | |
Legacy (PK51、DK251、PK166、v5.36以前のMDK)※1 |
○ | ― | |
プロセッサ | Cortex-M | ○ | ○ |
Armv7-A | ○ | ― | |
一部のArmv8-A | ○ | ― | |
Arm SecurCore | ○ | ― | |
コンパイラ | Arm Compiler v6.18以降 | ○ | ○ |
Arm Compiler v5 | ○ | ― | |
Arm Virtual Hardware | 全てのCortex-Mと Corstone | ○ | ― |
Fast Models Run-Time | ○ | ― | |
Arm Ecosystem FVPs | ○ | ○ | |
Functinal Safety | FuSa Compiler | ○ | ― |
FuSa RTS | ○ | ― | |
FuSa C Library | ○ | ― | |
ライセンス期間 | |||
ラインナップ | 1年(保守込み) | 1年(保守込み) | |
3年(保守込み) | 3年(保守込み) |
○:対応あり ―:対応なし
※1) Legacyツールの使用はノードロックライセンス形態での使用となります。
動作バージョン
使用可能なバージョンは下記です。下記より旧バージョンでは、UBLに対応しておりません。
ツール名 | 最小のツールバージョン |
---|---|
Arm Development Studio (Gold Edition) | 2022.0 |
Arm Development Studio (Platinum Edition) | 2022.a |
Arm Compiler for Embedded | 6.18 |
Arm Compiler for Embedded FuSa 6.16 | 6.16.2 |
Keil MDK | 5.37 |
Arm Fast Models | 11.17.1 |
FAQ
【Q】LLS (Local License Server)に対応しているLinux OSを教えてください。
【A】
サポートされるオペレーティングシステム
ライセンスサーバは、次のオペレーティングシステムでサポートされています。
- Red Hat Enterprise Linux or CentOS 7
- Red Hat Enterprise Linux or CentOS 8
- Ubuntu 20.04 LTS
- ライセンスサーバソフトウェアがバージョン1.2024010.0以降の場合、Ubuntu 22.04 LTS
システムソフトウェア要件
ライセンスサーバとユーティリティを使用するには次のソフトウェアがインストールされ、必要に応じて実行されなければなりません。
- 一般的なLinuxユーティリティ: bash, tar, sed, getopt, uname, sleep および grep
- systemd Linux service manager
- Python 3.6以上(ライセンスサーバソフトウェアがバージョン 1.2023060.0以前の場合、 PyYAMILモジュールをインストールする必要があります。)
- 以下のうちいずれかの Java Virtual Machine (JVM) implementation:
- Oracle Java SE 8
- OpenJDK 8
- OpenJDK 11
※ご不明点については、弊社営業担当までお問い合わせください