Arm Development Studio 2019.1 リリースノート

紹介

このリリースノートは以下を含みます:

  • パッケージに含まれるツールのハイライト
  • version 2019.1の更新情報
  • Development StudioのGetting Started
  • フィードバックおよびサポート
  • このリリースでの既知の制限事項

Development Studioに含まれるもの

Arm Development Studio IDE

Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。

Arm Compiler

Arm Compiler 5およびArm Compiler 6ツールチェインによってArmプロセッサの全レンジに対する高度に最適化された組み込みアプリケーションをビルドできます。Arm Compiler 5はArmv4からArmv7までのすべてのArmアーキテクチャをサポートしています。Arm Compiler 6はArmv6-M、Armv7およびArmv8アーキテクチャをサポートしています。

Arm Debugger

Arm DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびFixed Virtual Platforms (FVP)上でのソフトウェア開発をサポートするグラフィカルデバッガです。Arm DebuggerはArm ULINKおよびDSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。

Arm Fixed Virtual Platforms

Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex-A、Cortex-RおよびCortex-M向けDevelopment StudioではArm Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。

Arm Streamline

Arm StreamlineはLinux、Androidおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm Mali GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。

Arm Graphics Analyzer

Arm Graphics Analyzerはアプリケーションから呼び出されるOpenGL ES、VulkanおよびOpenCLのAPIをキャプチャして視覚化できます。これにはアプリケーション資産のキャプチャやアプリケーションフレームバッファのデバッグ可視化が含まれます。これらの機能を利用してレンダリングの問題の原因となっているAPI呼び出しを特定し、非効率なレンダリングやパフォーマンスの問題を簡単に特定できます。Arm Graphics Analyzerは以前はMali Graphics Debuggerと呼ばれていました。

version 2019.1の更新情報

Arm Development Studio IDE

  • Cortex-A9 FVP用のLinuxカーネルイメージを削除しました。過去にこのLinuxカーネルイメージに依存していたサンプルは同様のランタイム環境を作成する作成する手順を示すためにアップデートが行われました。

Arm Compiler

  • 最新の機能追加、バグ修正およびパフォーマンス改善が行われたver 6.13にアップデートされました。コンパイラのリリースノートは Arm Compiler 6 Downloads のページからご覧いただけます。

Arm Debugger

本 Arm Development Studioのリリースでは以下の新しい機能追加と改善が行われています:

  • Cortex-A35、Cortex-A57 および Cortex-A72プロセッサのデバッグがBroze Editionでも可能になりました。
  • 仮想プロトタイプ向けのIrisデバッグインターフェイスをサポートしました。
  • DSTREAM-PT デバッグプローブでのストリーミングモードが有効になりました。
  • ULINKおよびDSTREAMファミリでDAP-Lite2をサポートしました。
  • ULINKおよびDSTREAMファミリでドーマント状態を介したSWJ-DPスイッチングをサポートしました。
  • ULINKproファミリでCoreSight SoC-600をサポートしました。
  • DSTREAMファミリプローブで8-bit IR lengthのCoreSight SoC-600 DAPをサポートしました。
  • インテグレーションテストレジスタの情報に基づくトレーストポロジーとデバイスの検出を改善しました。
  • 以下の新しいデバイスサポートが追加されました。
    • MPS3 FPGAプロトタイピングボード用Cortex-R52 サブシステム
    • DesignStart Cortex-A5 Fixed Virtual Platform (FVP)
    • Intel Agilex SoC FPGA
    • NVidia Jetson TX2
    • NXP TWR-LS1021A r2
    • NXP i.MX8QXP
    • Phytec i.MX8M
    • TI AM437x

サポートデバイスの完全なリストは Supported Device のページを参照してください。

Arm Fixed Virtual Platforms

  • 最新の機能追加、バグ修正およびパフォーマンス改善が行われたversion 11.8にアップデートされました。
  • 完全なリリースノートは Fast Models Release History のページを参照してください。

Arm Streamline

本Development Studioのリリースでは以下の機能追加と改善が行われています:

  • version 7.1にアップデートしました。
  • 以下のデバイスを新しくサポートしました:
    • Mali-G77 GPUs
  • Androidシステム上のアプリケーションプロファイリングをセットアップするヘルパスクリプト gator_me.py を追加しました。
  • DynamIQ システムでの任意クラスタカウントに対するハンドリングを改善しました。
  • マルチクラスタシステムでのイベントベースのサンプリングに対するハンドリングを改善しました。

以下の機能は本リリースより非推奨となり、Development Studio 2020.0で削除される予定です:

  • gator.koカーネルモジュールを使用したカーネルモードのデータキャプチャ。 データキャプチャの推奨される方法は、ユーザー空間gatordを使用して、標準のLinux Perfデータ収集インターフェイスを使用してデータを収集することです。
  • Arm SoC Designerからのデータキャプチャ。 Arm SoC Designer自体は開発中ではないため、提供する計画はありません。

Arm Graphics Analyzer

本Development Studioのリリースでは以下の機能追加と改善が行われています:

  • version 5.4にアップデートしました。
  • Androidシステムでアプリケーショントレースを設定するaga_me.py helperスクリプトを追加しました。
  • Android 8.0以降でのアプリケーショントレースのサポートを改善しました。

以下の機能は本リリースより非推奨となり、Development Studio 2020.0で削除される予定です:

  • AndroidおよびLinuxターゲットでキャプチャされたトレースのリプレイ機能。APIシーケンスをキャプチャおよび再生するための推奨方法は以下になります:
    • OpenGL ES: Arm PATrace アプリケーションが こちら からダウンロード可能です。
    • Vulkan: LunarG vktraceが こちら からダウンロード可能です。

Supported Host Platforms

サポートされるホストプラットフォームはオンラインで確認いただけます。Getting Started Guideの Hardware and host platform requirements をご参照ください。

重要な注意事項: RedHat Enterprise Linux 6およびMicrosoft Windows 7オペレーティングシステムのサポートは将来のリリースで廃止となります。

Getting Started

Development Studioの詳細およびインストールの手順についてはオンラインの Getting Startedのページ をご参照ください。

Getting Started guideはDevelopment Studioのインストレーションフォルダにも含まれており、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。

DS-5から移行を行う際には、 DS-5 migration guide が迅速な移行のお役に立ちます。

システム要件

Arm Development Studioを快適に使用するためのハードウェアおよびホストプラットフォームの最小要件は以下の通りです:

  • ハードウェア要件
    • Dual core x86 2GHzプロセッサ(またはそれ相当)
    • 2GBのRAM
    • 約3GBのハードディスクの空き

      以下の操作を行う場合のパフォーマンスの向上のためには最小で4GBのRAMを推奨します。

    • 大きなサイズのイメージのデバッグ
    • 大きなメモリマップをモデルでシミュレートする場合
    • Streamlineの使用
  • ホストプラットフォーム要件
  •   Development Studioは以下のホストプラットフォームをサポートします。
    • Windows 7 SP1 Professional Edition
    • Windows 7 SP1 Enterprise Edition
    • Windows 10
    • Red Hat Enterprise Linux 6 Workstation
    • Red Hat Enterprise Linux 7 Workstation
    • Ubuntu Desktop Edition 16.04 LTS
    • Ubuntu Desktop Edition 18.04 LTS
   ※ Development Studioは64-bitホストプラットフォームのみサポートします。

フィードバックおよびサポート

Development Studio Learn のページでチュートリアル、マニュアルおよびビデオをご覧いただけます。

また、 Arm Community のWebサイトで、Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。

注目すべき問題と制限事項

  • Android 10(Android Q)ターゲットデバイスのGraphics Analyzerサポートは、"dev"品質でのみ出荷されます。初期のプレビューリリースはテスト済みとなっており、機能はしていますがOpenGL ESのレイヤドライバの導入によってAndroid 10のファイナルビルドが完全には動作しないことが予測されます。アクティビティソースコードを修正できるアプリケーションにおいての回避策はsuper-classメソッドを呼び出した後にGraphics Analyzerインターセプタの負荷をstatic initialization-timeコードからネイティブアクティビティのonCreate()メソッドに移行する方法となります。

例:
public class YourNativeActivity extends NativeActivity {
  @Override
  protected void onCreate(Bundle savedInstanceState) {
   // Call super-class onCreate first
   super.onCreate(savedInstanceState);

   // Load interceptor second
   try {
     System.loadLibrary("AGA");
   } catch (UnsatisfiedLinkError e) {
     e.printStackTrace();
   }
   ...
  }
}

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