Arm Development Studio 2021.1 リリースノート

紹介

このリリースノートは以下を含みます:

  • パッケージに含まれるツールのハイライト
  • version 2021.1の更新情報
  • Development StudioのGetting Started
  • フィードバックおよびサポート
  • このリリースでの既知の制限事項

Development Studioに含まれるもの

Arm Development Studio IDE

Arm Development Studioはお客様のビルド、コーディング、デバッグを助け、Armベースのプロジェクトを高速に最適化します。高効率のマイクロコントローラアプリケーションを作成するためにデバイスの立ち上げからアプリケーションデバッグまで、Development Studioによってお客様はより優れた製品を競合他社に先駆けて市場に投入いただけます。

Arm Compiler

Arm Compiler 6ツールチェインによってArmv6-M、Armv7およびArmv8アーキテクチャを含むArmプロセッサの全レンジに対する高度に最適化された組み込みアプリケーションをビルドできます。

Arm Debugger

Arm DebuggerはArmプロセッサベースのターゲットおよびFixed Virtual Platforms (FVP)上でのソフトウェア開発をサポートするグラフィカルデバッガです。Arm DebuggerはArm ULINKおよびDSTREAMデバッグプローブファミリを使用したplatform configurationユーティリティによるSoC起動サポートを含みます。

Arm Fixed Virtual Platforms

Fixed Virtual Platforms (FVPs)はすべてのレベルのソフトウェアスタックについて開発とデバッグに対する柔軟性と使い勝手において理想的なコンビネーションを提供します。Cortex-A、Cortex-RおよびCortex-M向けDevelopment StudioではArm Fast ModelsをベースとしたFVPのライブラリが付属しています。加えて、Development StudioではPlatform Configuration Editor (PCE)経由でArm Fast Modelsパッケージを使って作成したカスタムFVPもサポートしています。

Arm Streamline

Arm StreamlineはLinux、Androidおよびベアメタル組み込みシステムのシステム全般にわたるパフォーマンス解析を行えるツールです。Streamlineの可視化ツールによってArm CPUで実行されているソフトウェアのパフォーマンス上のボトルネック、あるいはArm Mali GPUやその他Arm IPで実行されているデータプレーンワークロードを簡単に識別できます。これに加えてアプリケーション中の主要な関数やコールパスを識別するホットスポットソフトウェアプロファイラがあり、システムプラットフォーム全体のパフォーマンスチューニングを可能にします。

Arm Graphics Analyzer

Arm Graphics Analyzerはアプリケーションから呼び出されるOpenGL ES、VulkanおよびOpenCLのAPIをキャプチャして視覚化できます。これにはアプリケーション資産のキャプチャやアプリケーションフレームバッファのデバッグ可視化が含まれます。これらの機能を利用してレンダリングの問題の原因となっているAPI呼び出しを特定し、非効率なレンダリングやパフォーマンスの問題を簡単に特定できます。Arm Graphics Analyzerは以前はMali Graphics Debuggerと呼ばれていました。

version 2021.1の更新情報

Arm Development Studio IDE

  • Cortex-A65, Cortex-A65AE およびNeoverse E1プラットフォームをサポートしました。
    • Arm Compilerをこれらのプロセッサ向けに使用するにはArm Development Studio Gold Editionのライセンスが必要であることに注意してください。その他の機能はSilverまたはそれ以上のEditionのライセンスが必要です。
    • サポートされるプロセッサの詳細については Supported Processor Cores のページを参照してください。

Arm Compiler

本Arm Development StudioのリリースはArm Compiler 6.16を含みます。
  • Cortex-A65, Cortex-A65AE およびNeoverse E1プラットフォームをサポートしました。
    • Arm Compilerをこれらのプロセッサ向けに使用するにはArm Development Studio Gold Editionのライセンスが必要であることに注意してください。
  • Arm Compiler 5 はレガシー製品となり、Mainstream Support の最終フェーズとなりました。そのため、Arm Development Studioの製品とともに提供されなくなりました。しかしながらArm Compiler 5 はまだ既存のプロジェクト、旧Armv4、Armv5、またはArmv6 ターゲットの新しいプロジェクト用にご使用いただけます。− Arm Compiler 5 Downloads のページからダウンロードして、Development Studio内で ツールチェンとして追加 してください。他のすべての新規プロジェクトについて、Armは非機能安全プロジェクトではArm Compiler 6(またはそれ以降)の最新リリースへのアップグレード、または機能安全プロジェクトでは機能安全Arm Compilerとしての最新のArm Compilerへのアップグレードを強く推奨します。

Arm Debugger

本 Arm Development Studioのリリースでは以下の新しい機能追加と改善が行われています:

  • PCIeインターフェイス経由でのCoreSightデバッグおよびトレースを可能にする新しいデバッグプローブDSTREAM-XTをサポートしました。より詳細については DSTREAM-XTの製品ページ をご参照ください。
  • Arm DS Silver 以上のEditionでは、 Cortex-A65, Cortex-A65AE およびNeoverse E1 プラットフォームのデバッグをサポートしました。
  • このリリースではマイクロコントローラターゲット向けにより高いバンド幅のトレースを可能にする新しいCoreSight 16 bit TPIU-Mのサポートを拡張しました。
  • 組込み市場向けにより低コストなデバッグを可能にするULINKPlusデバッグプローブのデバッグサポートを拡張しました。
  • CMSIS-DAPv2実装のデバッグサポートを拡張しました。(CMSIS-DAPv2の詳細については こちら をご覧ください。
  • debug launcherパネル内のプルダウンオプション経由で簡単にJTAG/SWDデバッグポートやクロックスピードの選択ができるようになりました。
  • FVPモデルではDebug ControlビューのResetボタンからリセットができるようになりました。
  • 以下のArm Fixed Virtual Platform (FVP)デバッグコンフィギュレーションが新しく追加されました。
    • FVP_Base_A65 (x1,x2,x4)
    • FVP_Base_A65AE (x2,x4,x8)
    • FVP_Base_Neoverse-E1 (x1,x2,x4)
  • サポートデバイスの完全なリストは Supported Device のページを参照してください。

Arm Fixed Virtual Platforms

本Arm Development StudioのリリースはFast Models 11.14を含みます。完全なリリースノートは Fast Models Release History のページを参照してください。
  • 以下の新しいFVPが追加されました。これらを使用するにはArm DS Silver 以上のEditionのライセンスが必要であることに注意してください。
    • FVP_Base_A65x2
    • FVP_Base_A65AEx2
    • FVP_Base_Neoverse-E1x2

Arm Streamline

以下の新しい機能追加と改善が行われたversion 7.7にアップデートされました:

  • SMMUv3 PMU カウンタの基本サポート
  • ソフトウェアプロファイラは、APKからの直接メモリマッピングを使用してネイティブライブラリをロードするAndroidアプリケーションのプロファイリングをサポートしました。Streamlineの以前のリリースでは、ライブラリの.soファイルのシンボル情報をアプリケーションに関連付けることができませんでした。
  • Timeline viewチャートの視覚化およびテンプレートシステムは、カウンタを選択するためのワイルドカードパターンを文字列に変換するサポートを行いました。パターンマッチさせるためのカウンタの文字列には固定プレフィックスが必要ですが、任意のポストフィックスを付けることができるため、テンプレートは汎用パターンを使用して複数のネームスペースを利用したカウンタ名を一致させられます。
  • Maliカウンタテンプレートが更新され、lightweight interceptor (LWI)を使用してキャプチャされたアプリケーションフレームレート、フレームカウントあたりのレンダリングパス、フレームカウントあたりの描画呼び出しなどのソフトウェアカウンタをワイルドカードパターンを使用して選択および視覚化できるようになりました。

Arm Graphics Analyzer

本Development Studioのリリースはversion 5.8を含みます。

Documentation

閲覧を改善するために、一部の章をUser GuideからGetting Started Guideに移動しました。Getting Started Guideには、一般的なセットアップ操作とデバッグに関する情報が含まれます。User Guideには、ユーザが行う可能性のあるより専門的なデバッグに関する情報と操作が含まれています。

Supported Host Platforms

サポートされるホストプラットフォームはオンラインで確認いただけます。Getting Started Guideの Hardware and host platform requirements をご参照ください。

Getting Started

Development Studioの詳細およびインストールの手順についてはオンラインの Getting Startedのページ をご参照ください。

Getting Started guideはDevelopment Studioのインストレーションフォルダにも含まれており、Arm Development Studio IDEからアクセスできます。

DS-5から移行を行う際には、 DS-5 migration guide が迅速な移行のお役に立ちます。

フィードバックおよびサポート

Development Studio Learn のページでチュートリアル、マニュアルおよびビデオをご覧いただけます。

技術的なご質問は弊社DTSインサイト Armサポート までお寄せいただくか、Arm社Arm Developerの Support サイトもご利用いただけます。

また、 Arm Community のWebサイトで、Development Studioに関する質問やサポートケースを投稿することもできます。

注目すべき問題と制限事項

  • Arm DS IDE [DSCORE-8640]-以前のバージョンのArm DSで作成されたワークスペースを開くと、IDEはワークスペースをアップグレードするように求め、アップグレードを実行するのではなく別のワークスペースに変更するオプションが表示されます。

    ただし、ワークスペースの変更オプションでは、別のワークスペースを選択できるようにするのではなく、同じダイアログが再度誤って表示されます。 これはEclipse IDEの既知の問題です( https://bugs.eclipse.org/bugs/show_bug.cgi?id=551260 を参照)。

    ワークスペースを変更するには、コマンドラインからArm DS IDEを起動し、ワークスペースのディレクトリパスをパラメーターとして渡します。 例:「armds_ide -data /path/to/workspace」

    また、ワークスペースをアップグレードすると、アップグレードされたワークスペース設定が以前のバージョンで機能しなくなる可能性があることにも注意してください。 ワークスペース内のプロジェクトは、ワークスペースをアップグレードしても影響を受けません。

  • Arm DS IDE [DSCORE-11481]Arm DSではFVPによるUbuntu 20.04サポートはまだ完全ではありません。例えば以下のようなエラーが表示されます:
        libGL error: MESA-LOADER: failed to open iris (search paths /usr/lib/x86_64-linux-gnu/dri:$${ORIGIN}/dri:/usr/lib/dri)
        libGL error: failed to load driver: iris
    1つの回避策として [Arm DS dist]/sw/models/bin/libstdcpp.so.6 のファイルを消去する方法があります。

  • ローカルサブネット上のUDPブロードキャストによるArm Graphics Analyzer Linuxターゲットデバイスの検出は、Ubuntu 18.04ホストマシンでは信頼できません。 デバイスが検出されない場合は、ターゲットデバイスのIPアドレスとポート番号を指定して直接接続する必要があります。

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