RISC-V対応でも話題!組込みプラットフォームマイグレーションサービスのご紹介
DTSブログ
更新日:2021/03/22

目次

1.はじめに
2.既存の組込みシステムにおける課題
3.組込みプラットフォームマイグレーションサービスとは
4.プラットフォーム解析・要件定義
5.事例紹介
6.まとめ

1.はじめに

 経済産業省が 2018 年に公開した「DX レポート」はご存じでしょうか。このレポートの中で、基幹系システムの老朽化・複雑化・ブラックボックス化した既存システムがDX推進の障壁になるといった報告がされて話題に挙がっています。
 このレポートは基幹系システムについて語られているものですが、既存システムの老朽化・複雑化・ブラックボックス化といった課題は、決して大規模な基幹系システムに限ったものではありません。

2.既存の組込みシステムにおける課題

 組込みシステムを開発しているお客様から、弊社に実際に寄せられる困りごとに以下のようなものがあります。
  • H/Wのメインパーツが製造中止(EOL品)になってしまった。
  • 既存システムの有識者、技術者がいない。
  • 既存システムのドキュメントやソースコードが存在せずシステム理解が大変。
  • 既存システムの高性能化、付加価値の追加、低コスト化が急務となった。
  • 新しいプラットフォームに移行することになったものの見積りができる人がいない。



 弊社では、このような既存の組込みシステムにおける課題を解決するためのサービスとして、組込みプラットフォームマイグレーションサービスを提供しています。


3.組込みプラットフォームマイグレーションサービスとは

 組込みプラットフォームマイグレーションサービスとは、マイコンの置き換え(マイグレーション)に伴う、システム開発のお悩みを解決するサービスです。
下図に示すように、基礎調査、実現性検討、実証実験、本開発、それぞれの開発フェーズに応じたサービスを提供します。


次章では、このうちのプラットフォーム解析・要件定義についてご説明します。

4.プラットフォーム解析・要件定義

 プラットフォーム解析・要件定義では、以下に示すような4つのステップを踏み、既存システムと移行システムとの差分を明確化した上で、システム要件、ソフトウェア要件を定義します。

  • STEP1:お客様プラットフォーム解析
  お客様のプラットフォームを要素別に明確化し、解析レポートを作成します。
  • STEP2:差分解析
  プラットフォーム変更によって発生する差分を明確化し、差分解析レポートを作成します。
  • STEP3:システム要件分析
  差分の結果をもとに、お客様とディスカッションしながらシステム要件を検討し、システム要件定義書を作成します。
  • STEP4:ソフトウェア要件分析
  ソフトウェア要件を検討し、ソフトウェア要件定義書を作成します。



 このように、本開発に入る前に十分な調査、検討、要件定義を行います。組込みシステムの場合にはCPUや周辺ハードウェア、そしてOSや開発手法に至るまで、様々な組込み開発知識が必要となります。
次の章では具体的な事例をご紹介します。


5.事例紹介

 プラットフォーム解析・要件定義における解析事例、差分解析事例をご紹介します。

・プラットフォーム解析事例〜エンディアン変換〜



・差分解析事例〜割り込みハンドラ〜


 その他、16bitのPICマイコンを使った既存のIoTデバイスを32bitマイコンに移行する際、int型の幅が異なるため、一通り該当箇所の洗い出しを行った事例など、小規模な組込みシステムでの対応事例があります。

 次に、開発・運用支援における事例をご紹介します。
 本マイグレーションサービスでは、開発・運用支援も行っています。既存システムが完成した後、既存システムをいきなり廃棄するということにはならず、移行後のシステムに切り替えていく期間を確保し、対応を行った事例です。
移行がスムーズにいくための仕組みの検討や、二重メンテナンス期間中の運用のご支援、テスト環境の構築等を行いました。

・開発・運用支援事例〜二重メンテナンス期間への対応〜



6.まとめ

 お客様が抱える既存の組込みシステムにおける課題について、そしてこれら課題にお応えする 組込みプラットフォームマイグレーションサービスの概要、プラットフォーム解析・要件定義についてのご説明、そして具体的な解析事例や開発・運用支援事例をご説明してきました。
弊社では、長年のICE(インサーキット・エミュレータ)を代表とする組込み製品開発を通して培った知識、技術、経験を活かし、このようなサービスを提供しております。
 今話題のRISC-VコアIPを採用する上でも、既存のコアIPからRISC-VコアIPに移行する場合に、本サービスをご活用いただけます。

 今回はほんのさわり程度のご紹介となりましたが、いかがでしたでしょうか。
組込みプラットフォームマイグレーションサービスについてのより詳しい内容へのご質問、またはお客様の抱える困りごとのご相談など、ぜひお気軽にお声がけください。

 お問い合わせはこちら info-lsi@dts-insight.co.jp

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