1.はじめに
前回、FPGAボードを使ってSiFive社のRISC-Vコアを評価する方法についてご紹介しました。次回はその時に準備したFPGA評価環境において、Freedom Studioを用いたサンプルプログラムの実行から様々なデバッグ方法についてご紹介するとしておりましたが、急遽内容を変更しまして、昨年SiFive社より発表されました最新の評価ボードである HiFive Unmatchedボード を国内正規代理店である弊社DTSインサイトがどこよりもいち早く入手いたしましたので、こちらのファーストインプレッションおよび実際に動作を行った最新情報を、これから数回に分けてどこよりも早くお届けしていきます。
2.HiFive Unmatchedボードについて
ここで、改めてRISC-V SoCおよびHiFive Unmatchedボードの特徴を見ていきたいと思います。搭載されているCPUはSiFive社製Freedom U740 RISC-V SoCで、次のような特徴があります。
SiFive社のコアとしてはHigh-end 向けのUコアであるU74が4個とコントロール用にS7コアが1個から構成されています。U74の機能については、SiFive社のホームページでもご確認いただけます。
またHiFive Unmatchedボードの主な機能としては以下のようになっております。

このようにHiFive Unmatchedボードは業界標準の Mini-ITX規格に準拠しており容易にRISC-V PCを組み立てられる仕様となっております。
3.HiFive Unmatchedボード単体で起動してみる
今回SiFive社より入手したHiFive Unmatchedボードには以下のものが同梱されていました。
- HiFive Unmatchedボード
- 32GB microSDカード(Softwareプリインストール済み)
- ネジ一式(オプションのNVMe SSDおよびWiFi/Bluetooth モジュール固定用、PCケース固定用)
- Ethernetケーブル
尚、SiFive社のホームページからGetting Started Guideおよび各種ドキュメントが入手できます。

こちらの第3章には、ボード単体で起動するためのシステム要件として以下のように記載されておりますので電源は自前で準備する必要があります。
弊社で事前に入手したATX電源を接続、debug用USBポートとホストPCをUSBケーブルで接続し、さらにEthernetケーブルを準備しネットワークに接続することによりボード単体で評価する環境の準備が整います。単体ボードの場合、ボード上の電源スイッチの押下によってパワーオン、パワーオフのコントロールが可能です。

4.RISC-V PCを組み立てる
HiFive Unmatchedボード はMini-ITX規格に準拠していることから、一般的なPC同様のケース、ATX電源、PCIe接続のグラフィックボード等が利用できます。弊社で組み立てたRISC-V PCの外観は以下のようになります。
実際にRISC-V PCの組み立てにかかった時間は、自作PCの組み立てには不慣れな筆者の場合でも約90分ほどで完了しました。ですので自作PCの組み立てに慣れている方であれば1時間もかからずにできるほど手軽にRISC-V PCを組み立てることができるのではないでしょうか。

5.ボード単体での起動確認と簡単なチェック
今回はボード単体での起動の確認と簡単なチェックを行います。以下の画像をクリックして動画をご覧下さい。
このように、SiFiveの最新のボードを用いることで、Native RISC-V PC環境を気軽に、簡単に立ち上げることができます。

6.まとめ
今回は、国内最速での入手となったHiFive Unmatchedボードについてのファーストインプレッションということで内容を変更してご紹介しました。いかがでしたでしょうか。新しいRISC-Vコア搭載SoCによるHiFive Unmatchedボードを用いると簡単にRISC-V PCを組み立てることができることがご覧いただけたかと思います。また同梱されているmicroSDカードにpre-builtされたSiFive社提供のOpenEmbedded Linux環境も問題なく起動できること、ネットワークへの接続およびUSBポート接続等も問題なく動作していることを確認できました。
次回は弊社DTSインサイトで組み立てたRISC-V PCに、さらにNVMe SSDやWiFiモジュールなどを追加して、一般的なPC同様に利用する模様をお伝えしたいと思います。
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