Arm Keil MDK v6 製品概要
Keil MDK v6 は主にCortex-Mファミリを対象とした組込みアプリケーションを開発するための、Arm純正統合開発環境「Keil MDK」の最新バージョンです。
組込みアプリケーションの開発、ビルド、デバッグに必要なすべてのコンポーネントが含まれています。
Arm Keil MDK v6 製品の特長
01.あらゆるIDEに対応しCI/CD開発を加速
- クラウドベースで動作する新しいIDE「Keil Studio Cloud」
- Visual Studio Code拡張用「Keil Studio for VS Code」
- 豊富な使用実績があるレガシーIDE「Keil µVision」
02.機能安全対応ツールを内包。お客様が開発ツールの安全性を証明する工数と費用の削減に貢献
- 信頼実績豊富な機能安全認証済みコンパイラとCライブラリ
- RTOSを含む、認証済みのソフトウェアコンポーネント
03.現代のワークフローに最適&開発期間の短縮に貢献
- 新しいライセンス形態(User Based Licensing)を採用
- ハードウェア無しで開発が始められる、Arm Virtual Hardware
- Open-CMSIS Packsにより10,000以上のデバイスサポート
01
CI/CD開発を加速させる3つのIDEに対応
MDK v6では、IDEとして従来の「Keil μVision」に加えてインストール不要のクラウドベースで動作する「Keil Studio Cloud」やローカルPCで使用可能な「Keil Studio for VS Code」がご利用いただけます。
また、サポートプラットフォームは、従来のWindowsだけではなくLinux、MacOSでも利用可能です。
Keil Studio Cloud
インストールを必要としない、すぐに使用できるクラウドネイティブの開発環境
Keil Studio for VS Code
Visual Studio CodeのExtensionとして簡単に導入可能
ローカルPCで使用可能
Keil µVision5
豊富な実績と使い慣れた開発環境
※Windows環境でのみ使用可能
MDK v6の 活用例:CIワークフローとの連携
MDK v6で新たに追加されたKeil StudioによりCI環境(Git等)との連携がより容易になりました。
CIツールとの連携はビルドとテストの自動化に貢献します。
またAVH FVP(仮想ハードウェア)との連携により、ターゲットボードの入手を待たずにソフトウェアの検証を開始できます。
02
機能安全対応ツールを内包(Professional Edition)
ISO26262(自動車の電子制御系に関する安全規格)や IEC61508(機能安全規格)への適合が、自動車や鉄道、医療機器、航空機、燃焼機器、ロボットなどの産業分野で必須となりつつあります。機能安全規格では、開発で使用するツールの安全性は、お客様ご自身で証明する必要があります。
MDK v6 Professional EditionはTÜV SÜDによるツール認証取得済みの機能安全版コンパイラやQualification Kitを含んでいます。認証取得済みのツールを使用することで、開発ツールの安全性を証明するためのお客様の工数と費用の削減に貢献します。
Professional Editionに含まれる主な機能安全対応ツール
Arm Compiler for Embedded FuSaは、機能安全またはlong-termサポートの要求を伴うベアメタルソフトウェア、ファームウェア、およびリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS) アプリケーションを開発するためのArmの最新の組込みC/C++コンパイルツールチェインです。
Arm Compiler for Embedded FuSaは自動車(ISO 26262)、家電、産業(IEC 61508)、医療(IEC 62304)、ネットワーク、鉄道(EN 50128)、ストレージ、通信など、さまざまな業界のリーディングカンパニーで使用されています。
※詳細はこちら
Arm FuSa RTS は、自動車、医療、産業システムにおける最も安全性が重視されるアプリケーションでの使用に適した組込みソフトウェア コンポーネントのセットです。
FuSa RTS を使用すると、開発者は、Arm アーキテクチャの専門家によって Cortex-M プロセッサ向けに高度に最適化された、堅牢なリアルタイム オペレーティング システム (RTOS)、独立したプロセッサ抽象化レイヤー、検証済みの C ライブラリを利用できます。
※詳細はこちら
安全性開発で使用するために特別に実装され最適化された約 200 個の関数で構成される、標準 C ライブラリのサブセットです。
- TÜV SÜD の認証を取得しており、Arm Compiler for Embedded FuSa と同じ機能安全規格をサポートしています。
- 安全マニュアルと欠陥レポートが含まれる認定キットが含まれます。
03
新しいライセンス形態「User Based Licensing」によりツールの利便性が向上
「User Based Licensing」(UBL)はNode-LockedとFloatingのメリットを組み合わせたArm統合開発環境の新しいライセンス形態です。MDK v6はUBLを採用し、ツールの利便性が向上しています。
UBLの特長
- ライセンスは「ユーザ」に紐づき、ネットワーク経由でライセンスを認証
- 1ライセンスで並列ビルドが可能。オフライン利用も可能
- ライセンス認証方式の変更によりツールが軽快に動作
UBLの詳細についてはこちらをご参照ください。
MDK v6コンポーネント
は新規追加や変更があるコンテンツ
MDK v6 製品ラインナップ
MDK-Professional
Cortex-Mシリーズに加えて一部のCortex-Aシリーズにも対応するフル構成。
Keil MDK v5や、8051シリーズの開発環境も利用可能なライセンスです。
FuSa(機能安全)対応の各種ツールが利用可能です。
FuSa(機能安全ツール)の詳細についてはこちら
MDK-Essential
マイクロコントローラの開発に特化した標準構成。全てのCortex-Mコアに対応。
MDK-Community ※商用利用不可
ツールの評価や教育用に無償でご利用いただけます。
MDK v6 エディション比較
Professional | Essential | Community | |
---|---|---|---|
AVH、FuSaを含む オールインワンツール 商用利用可 |
全ての Cortex-Mコアに対応 商用利用可 |
商用利用不可 | |
IDEs | |||
Keil Studio (VS Code Extensions) | ● | ● | ● |
Keil Studio Cloud | ● | ● | ● |
Keil µVision (MDK v5) | ● | ● | ● |
Legacy (PK51, DK251, PK166) | ● | ー | ー |
Device サポート | |||
Arm Cortex-M サポート | ● | ● | ● |
Armv7-A サポート | ● | ー | ー |
Selected Armv8-A | ● | ー | ー |
Arm SecurCore サポート | ● | ー | ー |
Compilers | |||
Arm Compiler for Embedded | ● | ● | ● |
LLVM Embedded Toolchain | ● | ● | ● |
Arm GNU Toolchain | ● | ● | ● |
Arm Compiler 5 | ● | ー | ー |
Arm Compiler for Embedded FuSa | ● | ー | ー |
FuSa C Library | ● | ー | ー |
Arm Virtual Hardware | |||
All Cortex-M and Corstone | ● | ー | ● |
Fast Models Run-Time | ● | ー | ー |
Arm Ecosystem FVPs | ● | ● | ● |
DevOps/MLOps サポート | |||
Command line Build and Test | ● | ● | ● |
CI/CD Usage | ● | ● | ● |
RTOS and Middleware | |||
MDK-Middleware | ● | ● | ● |
Keil RTX5 | ● | ● | ● |
CMSIS-FreeRTOS | ● | ● | ● |
IoT Clients | ● | ● | ● |
Debug Adapter サポート | |||
ULink Debug Adapters | ● | ● | ● |
CMSIS-DAP | ● | ● | ● |
Third-party Debug Adapters | ● | ● | ● |
Support & Maintenance | |||
製品アップデートとテクニカルサポート | ● | ● | ー |
ツールの商用利用 | ● | ● | ー |
Legacy Devices and Tools | |||
過去バージョンのMDKの利用 | ● | ー | ー |
Arm7, Arm9, Arm Cortex-R4 サポート | ● | ー | ー |
Arm Compiler 5 サポート | ● | ー | ー |
PK51による8051 サポート | ● | ー | ー |
DK251による8051 サポート | ● | ー | ー |
PK166によるXC16x, C16x, ST10 サポート | ● | ー | ー |
対応するデバッグアダプタ
Arm® Keil® ULINK™ デバッグアダプタは、JTAGまたは同様のデバッグインターフェイスを使用して、PCのUSBポートとターゲットシステムに接続し、ターゲットハードウェア上で動作する組込みプログラムのデバッグ、トレース、および解析を可能にします。 ULINKファミリの詳細についてはこちらをご参照ください。