2025/05/19

DTSインサイト、QNXと提携し、ソフトウェア定義車両の開発を加速

株式会社DTSインサイト(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長 浅見伊佐夫)は本日、BlackBerry Limited(本社:カナダ オンタリオ州、NYSE:BB、TSX:BB)の事業部門であるQNXとのソフトウェア定義型車両(SDV)開発の合理化を支援するための協業を発表しました。
この提携により、QNX Hypervisorを搭載したプラットフォーム向けに、DTSインサイトの開発ツールおよびソフトウェア開発サービスを提供し、車載システム開発の効率化と高信頼性を実現します。
DTSインサイトの『TRQer(トラッカー)』ツールは、QNX Hypervisorに対応したことにより、開発者はハイパーバイザーと仮想マシン (VM) 全体のソフトウェア動作を迅速に視覚化および分析して、ボトルネックを特定し、市場投入を加速できます。この協業により、DTSインサイトは、QNX Hypervisorを搭載したプラットフォーム向けの開発ツールとソフトウェア開発サービスを提供します。

【背景】

SDV(Software-Defined Vehicle)への転換が加速し、自動車開発はソフトウェアの複雑化と高性能化が進んだ結果、開発者は新たな課題に直面しています。特に大規模SoC(System On Chip)化された車載HPC(High Performance Computing)や仮想化技術を採用した自動運転や統合コックピットのソフトウェア開発では、仮想化されたリソースを制御するHypervisorや複数のVMの干渉による不具合や性能低下の要因分析が困難です。

【協業の詳細】

DTSインサイトは長年にわたり組込みシステム開発を支援するツールやソリューションを提供してきました。
QNX Hypervisorは、LinuxやAndroidなどのオペレーティングシステム環境が異なる、重要度が混在した複数のシステムを単一のハードウェアプラットフォームに統合することを可能にし、初期の開発時間と長期的な所有コストを削減して、業界をリードする安全性とセキュリティを実現します。
今回の協業によって、QNX Hypervisorに対応したDTSインサイトの開発ツールおよびソフトウェア開発サービスの提供が可能になります。

【QNX Hypervisor搭載システムのVM可視化】

DTSインサイトの動的テストツール『TRQer』がQNX Hypervisorに対応しました。これにより、HypervisorとVMにまたがる複雑なソフトウェアの挙動をグラフィカルに可視化します。プロセス、スレッド、関数の実行時間をVMを跨いで解析したりプロファイルの設定をしたりすることが可能となり、システムのボトルネック解析が容易になります。
複数のVMが連携する車載システム開発において、パフォーマンスの最適化や不具合のデバッグを効率的に進めることの難易度や重要性は増しており、『TRQer』が開発者の課題解決および市場投入の効率化に貢献します。

<TRQerによるQNX OS(Host)とAndroid OS(Guest VM)の解析画面>
TRQerによるQNX OS(Host)とAndroid OS(Guest VM)の解析画面

【受託ソフトウェア開発のサポート】

DTSインサイトは、QNXが提供するワークショップを多数のメンバーが受講し、さらにQNXと協力してHypervisorに関する独自ワークショップを開講しています。これらのワークショップを受講したメンバーは、QNX Hypervisorを用いて顧客向けの開発に携わっており、教育と実践を両立させています。QNXの教育と自社ツールのノウハウを併せて、QNX Hypervisorを用いたソフトウェア開発を支援します。

【今後の方針】

DTSインサイトは、QNXのソフトウェア開発において安全で高性能な車載システムの開発環境を提供することを目指します。今後は、開発環境の提供のみならず、ソフトウェア開発を通じてQNX Hypervisorシステムを高度に支援するツールやCI/CDを組み合わせた新たなソリューションの提供を進め、業界全体の発展に貢献していきます。

株式会社DTSインサイト 代表取締役社長 浅見 伊佐夫のコメント

この度のQNXとの技術提携は、当社の車載市場におけるプレゼンスを大きく拡大する重要な一歩です。TRQerがQNX Hypervisorに対応したことに加え、QNX Hypervisorソフトウェアの受託開発を通じて、次世代の自動車開発に貢献できると確信しています。私たちはQNXとの協力関係を強化し、共に未来のモビリティ社会を創造してまいります。

QNX Senior Vice President & General Manager – APAC Region Handa Dhirajのコメント

DTSインサイトは、ソフトウェア定義システムの進化というQNXの取り組みに賛同しており、この目標をさらに推進するために力を合わせられることをとても喜ばしく思います。DTSインサイトの革新的なツールとQNX Hypervisorの統合により、複雑な開発課題の克服と、次世代のミッションクリティカルシステムの迅速な市場投入の実現を支援します。

【株式会社DTSインサイト 概要】

株式会社DTSインサイトは、横河ディジタルコンピュータ株式会社、アートシステム株式会社、プライム上場企業である株式会社DTSの組込み関連事業を統合し、2017年4月1日、DTSグループの一員としてスタートしました。
社名のインサイト(insight)には、「洞察力」「物事の本質を見抜く力」を磨くことで、技術やノウハウを最大限活用し、お客様に最高のサービスを提供するという想いを込めています。
これまでご提供してきたマイクロコンピュータや周辺システムの設計、開発に関わる事業に加え、車載分野/組込み分野の開発ツールやシステム・ハードウェア・ファームウェア開発、医療分野における計測制御システム、各分野における受託開発など、最先端の開発現場におけるお客様のビジネスを、幅広くサポートしてまいります。
私たちDTSインサイトは「本質を見抜く力」で、今後さらに発展進化を続けるIoTの世界に向けたサービスを実現するとともに、DTSグループの幅広いサービスでお客様に高付加価値のソリューションを提供してまいります。

見えないものを“可視化”する お客さまのニーズを“かたち”にする
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当ニュースに関するお問い合わせ窓口

株式会社DTSインサイト 広報担当 冨岡

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