フラッシュ・
リプログラミング支援の
CAN/CAN FDツール
NETIMPRESS air

車載ECUの開発・生産・保守の現場向け
小型・軽量CANリプログラミングツール
現場向けCANテスト&ロガー機能も搭載

フラッシュ・リプログラミング支援のCAN/CAN FDツール NETIMPRESS air

現場向けソフト更新支援の小型・軽量CAN/CAN FDツール:NETIMPRESS air

当社製品のNETIMPRESSシリーズでは、⾧年に培われたフラッシュのプログラミングサポートを支援してきた実績があり、CAN通信をベースとしたリプログラミングも多くの自動車関連のお客様向けに納品しております。NETIMPRESS airは、車載ECU開発現場向けのフラッシュ・リプログラミングに特化したツールとして、現場の使い易さを優先して小型・軽量モデルに仕立てました。
またリプログラミング周辺環境で利用可能なCAN通信のモニタ&ログ、疑似的なCAN送信テストの機能を付随させておりますので、ソフトウェア更新状態の確認作業にもご利用できます。

製品の特⾧

NETIMPRESS air

多彩な用途に向けたリプログラミング・ソリューション

NETIMPRESS airは、幅広い現場でのリプログラミング活用が期待できます。

※従来のNETIMPRESSシリーズと同じ操作環境のプログラマ制御PCソフト「NETIMPRESS air Connect」の無償版を用意しております。(専用Webサイトよりダウンロード)

車載診断プロトコル対応のリプログラミング、サブライン生産のECU更新作業

自動車OEM完成車両の車載ネットワークの物理層(CAN通信)に接続された搭載ECUは、国際標準規格に準拠した車載診断仕様(OBD:On-Board Diagnostics)の故障診断機能が搭載されており、そのなかにソフトウェア更新の機能が含まれます。
NETIMPRESS airでは、自動車OEM完成車両で定義された車載診断仕様のソフトウェア更新プロトコルに準拠したECUフラッシュ・リプログラミングツールをご要望に応じて提供しております。
故障診断(OBDⅡ:On Board Diagnostics Ⅱ )ツールによるソフトウェア更新は、主にディーラのメンテナンス環境において使用されています。但し、最新の完成車両メンテンナス環境では、コネクテッドカーの普及によって製品サービスプロセスのなかでインターネットに接続し遠隔によるソフトウェア更新(OTA:Over The air)が導入されています。
車両商品化プロセスの開発途上では、ソフトウェアサービスが確立前の開発リプログ用途としてNETIMPRESS airを車両のOBDⅡに接続しソフトウェア更新の代替することも可能です。
生産ライン上の車両にECUを組付ける前工程としては、生産拠点サブラインでECU単体のリプログラミング対応や、製品在庫の旧版ソフトウェアを最新にアップデート作業など、NETIMPRESS airならば生産現場の活用が自在に利用できます。

NETIMPRESS air


部品サプライヤーにおけるECUの適合開発の作業、ECUの生産向け支援活用

自動車OEM向けのECUリプログ適応ツールは、自動車OEMが指定される国際標準規格に準拠した車載診断仕様プロトコルを実装のECUに対応することがツールの必須条件となります。
NETIMPRESS airは、ECU毎に車載診断仕様のリプログラミング仕様に対応したソフトウェア(制御アルゴリズム)を定義体として個別に登録し、NETIMPRESS airに内蔵する専用SDカードに保存が可能です。
専用SDカードには、複数の定義体を登録することが可能なため、異なる車両の複数ECUにも、一つのツールハードウェアで対応させることができます。旧版のECU在庫製品を最新版にソフトウェアアップデートするECU開発やECU生産現場の作業シーンにおいては、それぞれの現場に応じたリプログラミング作業がNETIMPRESS airの定義体を活用することで作業効率向上の有効な手段となります。

NETIMPRESS air

ECU製品の開発現場における適合作業では、MCU内蔵フラッシュの書き換え、製品毎の仕様に対応した制御ソフトウェアを逐次変更する作業シーンが日常的に発生します。その際に車両診断ソフトウェアに含まれるリプログラミング機能を利用したソフトウェア更新では、制御ソフトウェア変更の更新作業と、リプログラミング機能以外の診断機能の変更確認など、本来の検証作業が煩雑となり開発途上の現場には向いていません。
ECU開発の終盤作業におけるリプログラミング実装方法として、車載診断機能プロトコルをプライマリとし、セカンダリとして開発・保守用途の架橋な現場向けのリプログラミング・プロトコルを実装し、用途毎に切り替えるカスタムな手段にも対応が可能です。(プロトコル替えは物理層を分けるなど)このセカンダリプロトコルの一つとして、弊社製品のリプグラミング・プロトコル(UCOP)をECUに実装することもお勧めします。それぞれのリプログラミングプロトコルに対応可能なNETIMPRSS airでは、両者を定義体に登録し、用途に合わせて使用することが可能です。

NETIMPRESS air


フィールド・保守のソフトウェア更新には小型なスタンドアロンツールが最適!

特定用途向けの車両・大型制御システムでは、システム機能毎に制御モジュールが分散して存在し、各モジュール間を協調制御のためのネットワークとして自動車応用と同様なCAN通信を導入しています。これらの制御システムにおいて、製品出荷後の市場現場におけるシステムの不具合・機能改善のための最新版ソフトウェア更新作業を、CAN通信を利用したリプログラミングが採用されています。
これらのフィールド・保守のユースケースに、NETIMPRSS airを用いてご活用して頂いております。

特にPCの持ち込みが難しいフィールド環境では、PCレスでもスタンドアロンでリプログラミング動作が完結できるNETIMPRESS airが重宝されています。またNETIMPRESS airのW-LANタイプであれば、現場施設のW-LANまたはスマートフォン経由で外部サーバーへアクセスし、最新情報のダウンロード利用も可能となります。(W-LAN連携などの応用はカスタム対応)
大規模な制御システム製品を提供されるお客様に、車載ECUに推奨される当社独自のフラッシュ・リプログラミングプロトコル(UCOP) をご紹介し、製品出荷市場向けフィールドの保守用ソフトウェアとして実装されております。
以下に、参考として利用可能なユースケース例をご紹介させて頂きます。

NETIMPRESS air


車両の混流生産におけるECU組付けEOLに、ワイヤレス・モデルが貢献します

車両1台に使われる部品は約2万点と言われています。車両生産の組み立ては、多くの部品・アセンブリパーツおよびハーネスなどを車体に取り付けて自動車を完成させる工程です。車両の組み立て工程は、部品の実装順番毎のライン生産方式が用いられています。
車両組み立てラインでは、出荷先に応じた車種、仕向地毎の製品仕様が異なる車両などが一つにラインに混在した生産が行われています。車両の組み立てラインは、車体に各パーツのバッテリ・インパネ・パワートレイン、シャシーなどの順番で取り付け、最後に各ガラスやドア・タイヤなどが実装し車両が完成します。この組み立て工程の後に、出荷製品仕様に応じた検査工程があります。

また自動車の生産方式は、異なる出荷仕様の車両を一つのラインで生産する混流生産方式が導入されています。需要が多様化するニーズに対応できる多品種少量の生産する混流生産は、設備投資も抑えられメリットが大きいのですが、生産コストとしては複数種類のパーツの準備、生産ロットに対応する段取り替えが煩雑となり、その生産タクトタイムを含めた課題解決が必要となります。
この多品種の生産ラインの課題としては、ハードウェア部品以外にも個々のECUに実装させる制御ソフトウェアを出荷向け車両仕様に対応させる必要があります。この検査工程の前に、出荷仕様に対応した制御ソフトウェアがECUにプログラミングされていることが前提となります。

NETIMPRESS airのW-LAN版を採用することで、出荷先ECUプログラミングが柔軟な設備へと変貌させることができます。組み立てライン上の生産車両がバッテリ、インパネが取り付けられるタイミングなどでNETIMPRESS airを搭載し、車両上のOBDⅡに接続します。
組み立て工程のEOL(End of Line)にあたる実装ECUのプログラミング準備可能なタイミングで、ライン上のNETIMPRSS airをW-LAN経由でリモートリプログラミングを実行させることが可能です。
生産実行システムの連携には、生産車両向け「ECUプログラミングの指示から完了の報告まで」を、NETIMPRSS airならば生産ラインプロセスのなかで自在に組み入れ可能となりますので、作業効率の向上に貢献が期待できます。

NETIMPRESS air


ECUのリプログラミングに求められるセキュア対策とは

最近の完成車両は、自動運転技術の進化とともに自動車のコネクテッド化が進み、車載のネットワークは外部のインターネットにも接続可能となり、ITサービスの利用価値への期待と情報漏洩やサイバー攻撃の脅威を合わせ持っています。
ITサービス利用価値としては、車両システムの不具合回収や機能改善などを遠隔で車載ソフトウェアをアップデートするサービスが期待されております。外部ネットワーク経由による車載ネットワークの攻撃例は、不正なアクセスによる盗聴、「なりすまし」からの制御ソフトウェアの改ざん、マルウェアの混入など、セキュリティリスクの増大する傾向が想定されています。

制御系ECU車載ネットワークはCAN通信が標準採用されています。OEM車両システムのCAN通信に繋がるECU搭載の要件は、高度なセキュリティ対策の通信プロトコルをECUに実装することが求められます。特にECUソフトウェア更新におけるフラッシュプログラミング操作は、OBDの診断機能に準拠されたセキュリティ対策手順に従うことが前提とされています。

弊社のNETIMPRESS airは、ECUリプログラミング要求要件のOEM車両に準じたセキュリティ対策の認証手順、プログラムデータの暗号化など、ECU個別のリプログラミング要件に応じたソフトウェアを定義体として、カスタムなリプログラミングツールの提供も行っております。

ECU開発途上では、頻繁にフラッシュをリプログラミングする場合、リプログラミング用に限定した制御システムのネットワーク(CAN/K-line)に接続する場合などに、弊社のオリジナルリプログラミングのプロトコル(UCOP)をお勧めしています。その場合は、簡便な個別のユーザ認証(IDコード・パスワード)の実装を用意しており、ツール利用する関係者を限定した対策が施されております。


【ECU開発現場・CAN通信経由のリプログラミング環境向け:UCOPのセキュア対応】

UCOP(Universal CAN Open Protocol)は、弊社オリジナルのCANリプログラミングプロトコルです。UCOPのプロトコル仕様の認証は、定義体に個別の鍵情報(定数:IDコード・パスワード)をキーファイルとしてツールの定義体に登録することが可能です。ECU側の鍵情報(定数:IDコード・パスワード)をツールと共有し、この鍵情報をフラッシュメモリに保存します。
ツールとECUの認証は、ECUに実装するブートローダ:IBL(Initial Boot Loader)のアルゴリズムによってリプログラミング開始時に一連のプロトコルとして照合機能が動作します。
認証機能の実装・活用運用はカスタム仕様となります

NETIMPRESS air


【OEM車両に準じたセキュリティ対策の認証と暗号化の例:カスタムの対応可能】

【ツール認証の手順について】

NETIMPRESS airでは、ツールの定義体に特別なセキュリティ対策に対応した認証アルゴリズムをインテグレーションすることが可能です。
参考の例として、CAN通信バス上に毎回同一の認証データが現れない、不可逆なワンタイム・パスワード認証で利用される「チャレンジ&レスポンス認証」の実装イメージを紹介します。
不正なアクセス、なりすましによる改ざんなどの防止対策に有効です。

【暗号化について】

リプログラミングデータの盗聴を抑止には、CAN通信で流れるデータの解析を不成立させるには送信前のデータそのものを暗号化する必要となります。その実装イメージを下の図で紹介します。
ツール側に実装した暗号化アルゴリズムによって、リプログラミングデータ(オブジェクト)の暗号化を行います。リプログラミング動作では、CANバス上の流れる通信データが暗号化されているため、データを盗聴されても利用することが出来ません。このツールに実装する暗号化アルゴリズムは、NETIMPRSS airの定義体として登録することが可能です。
暗号化されたリプログラミングデータは、ECUに実装するリプログラミング用ブートに復号アルゴリズムの実装が必要です。ツール側の暗号化とECU側の復号アルゴリズムが一体化することが前提となります。またファイル管理上のセキュア対策として、NETIMPRSS airならばツールに保存するSDカードのオブジェクトデータを暗号化し、外部への漏洩防止の対策も可能です。

NETIMPRESS air


ECUテスト・ソリューション(CANシナリオ送信)

NETIMPRESS airでは、ECUの開発用・生産用の検査用などに、疑似的なCANノードとして送信情報をシナリオファイルに登録し、ファイルに登録したデータメッセージを設定したタイミングで自動送信する機能があります。
シナリオファイルに登録できる情報は、送信メッセージ、送信タイミングの指定、繰り返し送信、単発送信などを定義したスクリプト情報です。
シナリオ送信機能の起動は、HOST-PCからのリモート操作、および外部からの指令タイミングで行うことが可能です。

<参考例として>
完成車両の車載ネットワークに接続されたECUにIGON(イグニッション電源起動)時、特定のECUから各ECUに向けて初期化・同期化のCANメッセージが送信されます。ECU単体テストでも、IG-ON時のCANメッセージの初期化動作を、NETIMPRSS airがECUの代わりにエミュレーションする例をご紹介します。

NETIMPRESS air

NETIMPRESS air


ロギング・ソリューション

NETIMPRESS airに接続されたCAN/CAN FD通信バスのフレームデータを、モニタおよびロギングすることが可能です。モニタ&ログ機能は、リアルタイムのバスモニタでCAN通信の状態監視、トリガー条件によるロギング開始、終了などの機能を備えております。収録したログデータは、CSVファイルに保存することが出来ます。
特定条件のCANバスの観測により、ECU動作の変化捕捉や動作不具合の現象把握から原因の特定などに活用が可能となります。NETIMPRESS airならば、リプログラミング前後のCAN通信状態の変化を記録、シナリオ送信を併用し動作確認の活用など、お客様の身近な作業現場のお手軽ツールとしてご利用いただけます。
※ロガー制御・観測用のソフトウェアは「NETIMPRESS air Logger」の無償版を用意しております。(専用Webサイトよりダウンロード)

NETIMPRESS air


NETIMPRESS air 製品仕様

NETIMPRESS airの製品仕様を以下にご紹介します。

●本体(AF932)

NETIMPRESS airは、スタンダードモデル(AF932)とWLAN搭載モデル(AF932/W)の2種類の本体を用意しています。

【表示LED・操作SWとコネクタ】

<上面>
・LCD(定義体型名やアドレス表示などの情報を表示)
・Key(スタンドアロン用の操作キー)
・LED(airの各種ステータスを表示)
<前面>Target Connector
<後面>SD Card Slot (専用SDカード用スロット)
ツール連携トリガー・USBコネクタ(カバー付)

【基本仕様】

・ターゲットインタフェース:
CAN/CAN FD 2ch (通信速度:125Kbps~8Mbps)
K-LINE 1ch (入力許容電圧V-BAT ±0.5V)
ユーザ電源(V-BAT) 許容電圧範囲8~16V
トリガー入力1ch
・HOSTインタフェース:
USB2.0 High Speed(mini-B), 無線LAN(/W)
WLAN IEEE 802.11b/g/n(2.4GHz)
・動作温度-20~45℃(通常),-20~65℃(CAN動作)
・外形寸法133(W)×78(D) ×37(H)mm
・質量約240g
・電源VBAT DC8~16V,USB 5V±5%
・消費電力VBAT給電時5W以下, USB給電時2.5W以下,
低消費電力モード時30mA以下(VBAT給電)

本体(AF932)

●アクセサリ(別売り)

ターゲットプローブ

AZ915:
High Speed CANプローブ1m 先端D-sub 9pin
AZ916:
High Speed CANプローブ1m 先端未処理

プローブケーブル

トリガーケーブル

AZ905:両端同軸
AZ906:ターゲット側先端クリップ付

トリガーケーブル

●専用SDカード(FX900)

AF932製品向けの専用SDカードです。
最大32GBのメモリサイズまで対応しています。プログラミング環境データは、従来品同様にYIMフォルダに保存されます。プログラミングの活用では、YIMフォルダの瞬時に切り替えで次の対象マイコンに変更することが可能です。

●ライセンス(定義体)

NETIMPRESS airには、
①CAN/CAN FDプログラマ機能
②CAN/CAN FDロガー機能
③CAN/CAN FDテスト機能(カスタム)
のライセンスが用意されており、お客様のニーズに合わせて選択することができます。また、将来的に拡張される追加機能や新機能なども、ライセンスの追加によってご利用することができます。

専用SDカード(FX900)

性能、品質等の向上に伴い、おことわりなしに記載内容を変更させていただくことがあります。