トレーサビリティ管理ツール
microTRACER
機能安全規格「ISO26262」対応支援ツール
機能を特化した軽量な
トレーサビリティ管理ツール

トレーサビリティ管理の必要性
ソフトウェア開発では、ソフトウェア要件の定義(要求分析)、設計、実装、テストといった工程(ソフトウェアプロセス)が段階的に進みます。それぞれの工程で作業成果物が作成されますが、これらの間には一貫性が求められます。例えば、要件定義の記述(基本要件)をもとに、対応する設計書の図面(詳細機能)が作成されます。こうした工程間の作業成果物の関係性を一元管理し、設計・製造・保守上のトラブルが発生した際に、すみやかに問題の原因を追跡(トレース)できるようにすることが「トレーサビリティ管理」です。
組込みソフトウェア開発におけるトレーサビリティは、今やソフトウェアの品質を証明するための一つの指標と言えます。CMMIや機能安全規格(IEC61508、ISO26262)、食品医薬品安全認証(FDA)、医療機器ソフトウェア規格(IEC62304)といった業界標準規格や安全基準の認証機関では、トレーサビリティ管理が認証取得の要件となっています。安全性の観点から開発業務全体を見える化し、説明責任(アカウンタビリティ)を果たすことが求められています。さらに、トレーサビリティ管理は組込みシステムの派生開発にも役立ちます。
トレーサビリティ管理を導入する利点は、以下のとおりです。
- 設計・検証に漏れがないかをチェックできる
- 仕様に対するテストの網羅性(カバレッジ)を把握できる
- 要件、設計、ソースコードなどの検討内容の粒度のばらつきを確認できる
- 要件変更や不具合発生時の影響範囲が分かる
- 検証/認証に必要な場合にドキュメント生成を行える(エビデンスを残せる)
microTRACERの特徴
microTRACERは、ソフトウェア開発で作成された作業成果物(ファイル)に「タグ」と呼ばれる識別文字列を埋め込み、タグとタグを関連付けることにより、作業成果物の間の関係性を表現するトレーサビリティ管理ツールです。
microTRACERはトレーサビリティ管理に機能を絞り込んでおり、シンプルな操作性を実現しています。要件などを事前に登録する必要はありません。既存の作業成果物をそのまま活用できるので、導入時の負荷(ツール導入費用やツールの環境構築、ツール運用要員のトレーニング、ツールへの情報・ファイル登録、現場へのツール教育など)を最小限に抑えることができます。
トレーサビリティ管理を効率的に実施するためには、要件管理(要求管理)や設計情報管理(リポジトリ)、構成管理、上流・下流工程の開発環境、検証テスト、プロジェクト進捗管理など、さまざまな管理手法やツールと連携する必要があります。機能安全が要求される場合は、さらにリスク分析(リスクマトリクスなど)や影響分析(インパクト分析)との連携も必要です。microTRACERが連携運用可能なツールには、以下のものがあります。
構成管理ツール
- AccuRev
- Subversion
- GIT
- PVCS-VM
要件管理ツール
- DOORS
プロジェクト管理ツール
- Redmine
- JIRA
ALMツール
- Integrity
モデリングツール
- Simulink
- Enterprise Architect
テストツール
- カバレッジマスターwinAMS
FMEAツール
- APIS IQ-FMEA