組み込みAI(マイコンに実装されたディープラーニング結果)の検証

ルネサス社が提供する「e-AIソリューション」:クラウド依存から分離したエンドポイント領域にAIを配置、リアルタイムに判断して対応できる応用システムと製品の強化へ。
32ビットCPUコア「RXv3」を搭載したマイコンRX66Tによる「モーター故障検知用e-AIソリューション」の検証例をご紹介



ルネサス社が提供する「e-AIソリューション」では、クラウド依存から分離したエンドポイント領域にAIを配置し、リアルタイムに判断して対応できるシステムと製品の強化・実現に向けて開発されています。ルネサス社が提供している「e-AIトランスレータ」(図1)では、google社が開発したオープンソースのディープラーニングライブラリ「TensorFlow」、カリフォルニア大学バークレー校で開発が進められている「Caffe」の学習済みニューラルネットワーク情報などをマイコンで実装可能なコードに変換することができます。
ルネサス社のご協力のもとに「モーター故障検知用e-AIソリューションのデモキット(マイコン:RX66T)」を使用し、当社製品のRAMScope(制御アルゴリズム検証のためのマルチ計測・適合ツール)によるe-AI検証デモを2019年の春の展示会に出展を致しました。RX66Tに実装されているe-AI学習済み推論モデルは、モーターの動作状態を示す特性データ(電流値)の特徴点をリアルタイムに抽出し、それを推論モデルに入力することで故障を判定します。故障を検知する特徴点は、相電流(トルク電流)のAD変換データ群をFFT処理し、FFT処理から得られた周波数スペクトラムの特定帯域サンプルから抽出しています。
RAMScopeでは、AIモデルに入力する周波数スペクトラムの特徴点の内部変数と、AIモデルが出力する判定結果の内部変数をリアルタイムに測定・収録することによって推論モデル検証を行うことができます。故障検知e-AIソリューションデモに実装された学習済みe-AIモデルは、ベクトル制御アルゴリズムと合わせて検証することが可能です。
(詳しくはトピックス(またはダウンロード)の「モーター搭載家電向け故障検知用e-AIの実機検証ツール」の応用事例をご参照ください)